Be happy to love

随分前に、一度、私の行っていた高校の記事を書いた。
男子校。いつの間にか男女共学になっていた。調べたら2001年4月1日から。だだし、1951-1955年に女子が五名いたことがあると出てきた。東京出身のやつに「男子校」「男女共学」なんて話をしたらキョトーンとされた史雲遜。「なんすか、それ？　えっ、今時？」。まあ、男子校の時代が長いのでバンカラ気質ということで、地元では有名なところである。

私の世代は、団塊の世代程ではないにしても、第何次ベビーブームという世代で、一学年が五百人近かった。十クラスで、その半分が理科系。私も、一応理科系のクラス。一学年二百五十人ぐらいがいた計算になる。

当時、今は知らないけれど、大変な医科歯科ブームで、優秀な連中は医者、歯医者になった。
実数は知らないけれど、風の便りでは、上記理科系生徒数の三分の一ぐらいがそうらしい。
地元の開業医の看板を見ると、それも頷ける。見る看板のほとんどが同級生である。ちょっと、不気味。

同級生1

彼との卒業後の付き合いはなかった。医者、開業医。
彼は、当初から「俺は五十歳で引退する」と、皆に表明していたらしい。
そして、五十歳。医院を閉鎖し、離婚。今は、予定通り好きなことをして暮らしている。
この彼の人生計画および実行力は、同級生の間で絶賛された。素晴らしいと。
地元では、変わり者という意見もあるらしいが、我々、同級生は賞賛を惜しまない。

同級生2

医者。地元で人気の開業医である。
帰郷すると必ず会う。「裕ちゃんさ、俺もoo(同級生1)と同じく雪纖瘦Google+、医院閉鎖してさ、京都の山奥に茶室作ってさ、余生を送ろうと思ってんだよ。裕ちゃん、会社辞めて、ピアノ一本だってな、いいなぁー、正解だよ、それ。金なんて、そんなに必要ねぇーんだよな、本当」。

同級生3

歯医者。開業医。

「裕ちょよ、俺よぉー、歯医者好きでなったんだけどよ、馬鹿みたいに患者増えちゃってさ、朝から晩までガーガーキーキーやってんだよ。売り上げなんてよ、ooooooooooooooooooを超えちゃったんだよ。もう、金なんていらねぇー、歯医者、止めてぇーよ。酒飲んで、煙草吸って、野球やりてぇーよ、俺」
「あれ、ブーちゃん、ベンツ売っちゃったの？　しょぼいライトバンじゃんかよ、金持ちなのによ」
「うん、もう、車なんてよ、どうでもいいべって。俺よ、少年野球チームの監督やってっぺよ、道具積めりゃーいいわけ。金ばっか溜まっちゃってるからよ、バスの免許取ったんだよ。で、マイクロバス買ってよ、子供たちの家一軒ずつよ、送り迎えしてんだ、俺。偉いべ？」
「マイクロバスっ！」
「うん、ちょっと先のパーキングに止まってっから、後で見に行くべ。金、余ってっからよ、ついでに、温泉付きの老人ホームの一部屋買ったんだよ。週末、俺が家でごろごろしてっとママが嫌がるじゃん。俺、そっちで泊まってんだよ。偉いべ？　でよ、医院の裏に、ママが逃げちゃっても車椅子で、俺ひとりで生活できる平屋建てんだよ。ママ、もともとよ、都会の人だからよ。ところで、裕ちょよぉー、oo(同級生1)、医者止めちゃったの知ってる？　ずっと言ってたけどよ、みんな、酒の勢いの戯言だと思ってた。本当だった。偉いよなぁー、離婚までしちゃってよ。参るよな。後よ、oo(同級生2)もよ、医者止めて京都の山に篭るって言ってたな、こないだよ。なあ牛欄牌回收、俺らの世代とか学年がおかしいのかな」
「ブーちゃんよ、まあ、俺ら、ちょっとおかしいのかもな。俺も会社辞めちゃったしよ。物欲がねぇーんだよ、そもそも」
「うん、もともとよ、俺らってそうだったけどよ、震災が輪を掛けた。人生観が根底から変わった。違うな、元に戻った。俺よ、裕ちょみたいによ、文学、詳しくねぇーけどよ、自分の人生なんてことよ、改めて考えちゃったよ。本当に必要なもんなんてよ、そんなんねぇーべってよ。でもよ、俺、歯医者止めっとよ、ただの酒飲みのオヤジじゃん、ピアノ弾けるわけじゃねーし。地震のあった日、最初の日よ、マジでよ、世界の終わりかと思ったよ。でもよ、俺、知恵はあっからよ、とっさによ、ガソリン入れて、セブンイレブンに行ってよ、酒瓶、床に散乱してたんだけどよ、割れてない焼酎、全部買って、煙草買い占めてよ、十袋ぐらい持って家に帰った。ママに打ん殴られた。カップヌードルとか、なぜに買ってこんのか、あなたって言う人はっ！　はははははははぁー、裕ちょなら、分かるよな、この気持ちよ、ははははははははははは」